特集

主張

職場と法律(2) 療育センター

幸福追求権と平等権

  すべての子どもに可能性を保障する療育センター

 私は西武地域療育センターで働いています。
 療育センターの目的は、障がいを早期に発見し、その軽減を図ること。そのために小児科、整形外科、精神科、耳鼻咽喉科の診療や、理学療法、作業療法、言語療法、カウンセリング等ができる体制が整っています。
 現在、診療の予約は1か月半〜3か月待ち。保健所や保育園で、子どもに落ち着きがない、耳が聞こえにくい、言葉おくれの心配がみられると、療育センターが紹介されます。相談・面接・検査をして1人1人に合った療育を行います。
 通園療育は定員40人。外来療育のためのグループも開いています。初めて利用する方は親子通園も行います。親と子が一緒に正しい知識を身につける。すべての子どもが発達し、親自身も集団の中で気付くためです。
 療育センターは、当局から22年度中に指定管理者制度の導入をすると提案を受けています。民営化や指定管理者制度は効率性がうたわれていますが、発達や成長はお金でも時間でもはかれません。思春期や社会人になってからここに居た経験が活かされる。大切なのは、就学前に「療育の受けるチャンスがある」ということ。すべての子どもに人生の可能性が保障されるということです。
 療育センターの役割は「児童福祉法」にあります。そして根拠は、日本国憲法にあります。生存権(第25条)や、幸福追求権(第13条)、平等権(第14条)などがそうです。
いま、最終的に人権を保障するのは行政しかありません。障がい者も高齢者も、市民であり、「声」があるんです。
 障がいがあっても、すべての国民は意思表示ができ、社会参加できる権利がある。可能性を保障すること、それがわたしたちの仕事です。

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