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ほとんどすべての福祉施設が民間へ!職員の声

ぞくぞくと切り捨てられる名古屋の福祉

9月9日、市当局は福祉支部に対して、ほとんどすべての福祉施設を指定管理者制・民営化すると提案しました。現場の職員からは怒りの声が噴出しています。

痛みは他人事じゃない!五条荘職員の声

 五条荘が平成22年度に指定管理者制度の導入をめざす施設であることが公表された。何年も前から噂されていたが、当局は組合の交渉の場で「本当によくやっていただいている」(行政評価では達成度4)と言っており、このような性急な形で進められていくとは思っていなかった。用心していたにも関わらず、いきなり闇打ちにあったような気持ちだ。
 戦後、家や夫を失った「母子を保護」していた母子寮が、社会の変化により、「母子を保護するとともに、生活を支援する」「退所者にも相談及びその他の援助」を行う母子生活支援施設に変わった。
 五条荘もこの10年で大きく様変わりした。10年前、30世帯定員のうち20世帯を超えて入所することはほとんどなく、見守ることが主たる支援の内容であった。現在、30世帯満室で運営していてもなおかつ連日のように、入所依頼や空照会がある。1か月以上先に空く予定の部屋にも入所の相談を受けている。

   利用者は、DV被害を受けたり、外国籍だったり、障がいがあったり、精神疾患に苦しんでいたり、若年で母になったり…。多様な利用者の多様のニーズに、開設時とほとんど変わらない職員で応じている。
 DVからようやく逃げ出してきた人たちに寄り添い、離婚や母子での自立を支え、うつや依存に苦しむ人たちの回復に寄り添い、多国籍の利用者の抱える問題の解決策を模索し、法律相談にも、通院にも、警察にも、役所にも、裁判所にも、住宅の下見や契約にも付き添い、入所できる保育所を探し、新生児の補完保育をし、小学生の学童保育をし、非行に足を踏み入れようとする中学生と話し合う。退所された後の様々な相談にも応じている。空いた部屋の掃除や整備もしなければならない。DVや性暴力の研修を東京まで受けたり、暴力に悩む女性を支援する団体との連帯の中で勉強したりしてきた。「困難なケースは五条荘」と言ってくれる女性福祉相談員もいる。私たちが培ってきたこれらの力はどうなるのだろう?
 指定管理者による施設運営で経費を削減できる。しかしこんなに乱暴に福祉の仕事を安上がりにしてしまっていいのだろうか?私たちがしてきた仕事ってそんなに安いものなのだろうか?無駄を省くことに異論はない。しかし現場の実態をよく理解して、利用者のみなさんに迷惑をかけることもなく、サービスの質を落とすこともなく、懸命に働いてきた職員の思いを踏みにじることのない改革をしていただきたい。
 五条荘が今よりよい施設になり、サービスが提供できるように、わたしたち職員といっしょに考え進めてほしい。弱者が切り捨てられていく社会が私たちの未来だなんて悲しすぎる。(五条荘職員)

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