− 主張、調査
汐見が丘保育園の廃止はやめて
緑区・汐見が丘保育園が2012年3月末をもって廃止、民営化されようとしています。地域の方や福祉支部が中心になって、反対運動が広がっています。
◆市民のニーズは保育園の増設
汐見が丘保育園がある緑区は人口が多く、保育園の新設は急務です。市内の待機児童(保育園に入所申請したのに入れない子ども)は昨年4月で595人。そのうち緑区が161人を占めています。また緑区には小学校区が28ありますが、5区には公・民ともに保育園も幼稚園もありません。
同じ緑区の太子保育園では、今年の3月に卒園した園児が7つの小学校にわかれます。「遊ぼう会(子育て中の親なら誰でも参加できる会)を開いても30組60人も来ます。保育園が必要なのに足りていないのは明らかです」と保育士の仲間は言います。
◆職場が奪われる
また、なごや子ども条例で、市は「子どもが安全に安心して過ごすことができるための居場所づくり、自然及び地域社会とのかかわりの中で豊かに育つことができるための遊び及び体験の場づくり」を実施するとしています。公立保育園の廃止・民営化は条例違反です。
「目的は人減らし」。職員を減らし、詰め込み保育を強要し、子どもに細やかな対応ができなくなると大変危惧されています。
加えて雇用問題もあります。太子保育園では25人いる労働者のうち、正規職員10人、パート職員10人、臨時職員が5人です。低賃金、重労働の処遇改善は必須ですが、廃止・民営化では、非正規職員は即職場を奪われてしまいます。市長は「名古屋に来い」というなら、保育園をつくるべきです。
◆保育料の値上げするな
市は10年度予算案で、保育料の値上げを示しました。保育時間で2段階に分け、16時までは標準時間保育料として2.1%マイナス、16時以降は長時間保育として6%も値上がりします。また第3子以降無料化も廃止すると言います。
いま子どもも子育て世代も1人1人に気を配り、極め細かくみていく必要があります。公立だからできること、その役割をいま発揮するときです。