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主張、調査

市人事委員会勧告に対する市職労常任執行委員会声明

法人の税収は伸びているのに、労働者の賃金が下がりっぱなしでは、地域経済も好転しない!職場からの怒りで不当な攻撃をはね返そう

 
名古屋市人事委員会は、本日(9月7日)、「職員の給与に関する報告及び勧告」を行いました。

 その主な内容は、
(1)本市職員と民間の月例給の較差(△2、894円、△0・73%)を解消するために、給料表(医療職給料表(1)を除く)を改定。なお、平成20年に定額化された管理職手当をこの数年間の給料月額の減額に見合う引き下げを行うことを含めて、較差を解消する改定。
(2)一時金については、民間(3・97月)と職員(3・95月)の年間支給割合がほぼ均衡しているため、改定なし。
生活改善と地域経済の活性化につながる人勧をという私たちの要求にまったく応えない不当なものです。その上、不利益不遡及の原則を逸脱し、「調整措置」と称して、4月に遡っての改悪(12月の一時金で相殺)に言及しています。

政令都市の中でも低い名古屋の賃金水準

 私たちの賃金は、平成21・22年2年間で60万円近く削減されました。
 「平成23年地方公務員給与実態調査」(総務省)によると、政令都市で名古屋市は、平均給与月額(平均給料月額+諸手当月額)で14番目の低さであり、退職手当に至っては、一般行政職員の60歳定年退職者平均では、なんと16番目です。現在でも政令都市の中で低水準にあるものをさらに切り下げることは許せません。

総人件費抑制を許さない働きがいの持てる給与水準に

 勧告では、国が行った55歳以降の職員についての昇給抑制や昇格制度の見直しについては、国と名古屋市の実態の違いから「慎重な検討が必要」としました。この点は、国の勧告とは違う内容になっており、今後、労使で協議をしていく課題となります。
 しかし、55歳以前からの給与カーブのフラット化について言及をしており、総人件費抑制を許さない、働きがいのもてる給与水準確保の取り組み強化が必要です。
 「公務運営における課題」では、非役職者の「やりがい」を高めるとして、人材育成評価制度を使って現在係長級以上に導入されている勤勉手当への勤務評定を、全職員に拡大することについても言及しています。
評価制度については、市側自ら、2011年の交渉で、民間企業での「業績評価制度」の弊害にふれ、「職員が育つには、職場で所属長や同僚などと協力して職務を遂行できるよう、管理職以下職場全体で課題を共有化し解決する協力体制を醸成するなど、環境整備も必要」とした回答を踏まえて今後の交渉に臨みます。

賃金の改善で悪循環を断ち切ろう

退職手当は、調整額制度(国の制度は、退職5年前の主任以上の役職者に加算措置)を名古屋市に導入すること、60歳台前半の雇用については、再任用の義務化に向けた制度作りに言及しました。
「民間が厳しい」「中小企業が厳しい」と言い続ける市長をはじめとした当局の姿勢では、労働者の賃金は下がりっぱなしです。個人消費が伸びなければ、地域経済も好転せず、ひいては自治体財政にも大きく影響することになり、賃金の改善により、この悪循環を断ち切ることが必要です。
国家公務員にかけられている7・8%の賃金カットに反対し、民間労働者の賃金含め、正規・非正規問わず、賃金の改善をめざして秋の賃金闘争をすすめます。

2012年9月7日 名古屋市職員労働組合 常任執行委員会

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