− 主張、調査
働き手なく現場は苦悩
不安定雇用に手は挙がらない
「働いてくれる人がみつからない」。環境事業所で働くSさんはゴミを収集する技師の欠員を補うために、2か月の有期で雇用する臨時職員探しに奔走しています。「過酷な労働環境の上に不安定な雇用や低賃金に手を挙げる求職者は少ない」とSさん。この間Sさんが人探しに動く中で感じたことを伺いました。
臨職の時給単価引き上げなど働きやすい条件の整備を
環境局がハローワークに出す2か月雇用の臨時職員の求人情報は時給1050円で午前8時から午後4時半までという勤務。Sさんは「採用申し込みの電話があるのは50歳代から60歳を超えている方などご高齢の人が多いです。仕事を失ってすぐにでも働きたいというような。しかし、この夏だけでも臨時職員3人が倒れたというキツイ仕事内容に即戦力として対応できることが採用の条件となるので、その過酷さを伝えると辞退する方も少なくありません」と話します。また、「2か月では仕事を覚えた頃に退職になり、新たな人を探さなければならない。次につながっていきません」と短期雇用の弊害を訴えます。「臨時職員の時間単価をもっと上げることや、交通費が1日460円しか出ないのでその上限を増やすなど働きやすい条件を整えることが必要です」と話しました。
合間を見つけて求人募集のビラを駅頭で配布するSさん。「努力はしていますがなかなか電話は来ませんね。10月の欠員がまだ埋まっていません」と悩みを明かしました。
自治体からワーキングプアという不安定雇用や低賃金労働者を無くす取り組みがますます重要です。